雄勝石(おがついし) の道具
雄勝石、って知らなくても、JR東京駅、丸の内側駅舎のあの黒屋根の石といえば「見た!」そんな方もいるかもしれません。
別名、玄昌石。くさびで割るとタテに薄くうすく割れる性質と、純黒の色を持つ石です。
宮城県の雄勝周辺など限られた土地でしか採れません。
美しい海と谷の雄勝の町には、600年前の室町時代から、この石を加工する職人たちが暮らしていました。
特に有名なのが、肩にあてがった石用の鑿(のみ)で、体を使って一つずつ削りあげられる硯です。
江戸時代には、伊達藩に保護されました。
これが名硯「雄勝硯」として、近年は海外にも名を馳せる美しい品です。
町には石の切出し場、加工場、職人の仕事場などがあり、役目を分担して石とつきあいました。
玄昌石の「玄」とは「すべての色を溶かしこんだ色」という意味なんですって。
この美しい純黒の石を、現代の暮らしのなかでもっとフレキシブルに使ってほしい。
そんな雄勝石の職人たちの手で、シックな玄昌石皿が誕生しました。